文化に触れねば死す

めっきり漫画の単行本を買うことが減ってしまった。今となっては同人イベントが大変に貴重な機会だったと思う。表紙買い。背表紙だけしか見えない新刊コーナーでは大変難儀なことだ。いま世界とつながってるのは定期購読してるアフタヌーンだけ、ってのも過…

終末へのカウントダウン 吉田基已「夏の前日」(4)

いよいよ夏が来てしまった。夏の前日(4) (アフタヌーンKC)作者: 吉田基已出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/07/05メディア: コミックこの商品を含むブログ (13件) を見る連載開始から4年が経って、いよいよこの二人の関係も決まっている結末が訪れようと…

前を向くバリエーションの豊富さ GOING UNDER GROUND「Roots & Routes」

前作「稲川くん」は決意表明のメッセージを含んだ傑作だったけれど、今作はそこで示した場所へ進んでいく、さまざまな行き方を示しているように受け止めた。 Roots & Routesアーティスト: GOING UNDER GROUND出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2012/…

みえるわ

というCHARAの曲があったね。 一切関係はないのだけれど。 社畜一年半、たくさんの問題を起こしつつ抱えつつ日々を安穏と過ごせずにきたのだよ。わからないこともわかったりしながらさ。 無限の可能性があるという。だんだんなくなりつつも、まだどうにでも…

神様は想いに宿る、こともあるのかもしれない しおやてるこ「たまりば」(1)(2)(完)

たまりば 1巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)作者: しおやてるこ出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2010/06/26メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 56回この商品を含むブログ (27件) を見るたまりば 2巻 (ビームコミックス)作者: しおやて…

愛せそうな気がする

いや、愛するよ。というかすでに愛してしまっている気がする。 俺にはそもそも高嶺の花だったのさ。 こんどはとてもおとなしくて、派手さはないけど意外としっかりしてる。大体用が足りるし。 すごく魅力的にみえても、大したことなかったさ。前のも今でも好…

どんな音でも関係ない  たむらぱん「mitaina」

書くことはあっても気力はなくブログといいつつ月一更新もせずにいたわけだが、大傑作を聴いたらなんらかの反応をせざるをえないわけですよ。 mitaina【初回限定盤】(DVD付)アーティスト: たむらぱん出版社/メーカー: 日本コロムビア発売日: 2012/01/18メ…

声を隠さない 末光篤「Dear Grand Piano」

かつてSUEMITSU & THE SUEMITHという名で活動していた末光篤はソロ名義で初のリリース。といっても楽曲提供は数多くこなしてきていて、*1不在だった感はあまりない。でもいちばん大切なのは彼が自分で歌っていることだ。 ディア・グランド・ピアノ CDアーテ…

駄目でもただいるだけでいいのだ 岡村靖幸「エチケット」

「ビジネス」みたいな感じだったらどうしようなんて思っていたけれど、発売前に出た「だいすき」のPVで期待は否応なく高まりそのままCDのヘビーローテーションへと移行したのである。 エチケット(ピンクジャケット)アーティスト: 岡村靖幸出版社/メーカ…

だめな予感はある

働けど働けどっていうほど働いているわけでもないが、ルールに従って生きていくのはベリーハードな感だけがしている。辛さは想定内に収まってはいるが問題は瞬間風速ではないのだ。生きていこうと思うのならば働きつづけねばならぬわけでつまりは台風は40年…

テーマの難易度は果たして適正だった? 新海誠監督「星を追う子ども」

はじめに言っておくが、ぼくは映画監督のなかではいちばん新海誠監督に金を掛けている。「雲のむこう、約束の場所」DVD-BOXも「秒速五センチメートル」DVDも持っている。今回だって見終わったあとにパンフとポスター買おうって思ってたのだ。本当に。もっと…

あるバンドの終焉とそれに伴う変質について GOING UNDER GROUND「稲川くん」

二年ぶりの野音でのライブを終えて総括した。やはりGOING UNDER GROUND「稲川くん」は傑作であった。 というのも、第二期ゴーイングと銘打って行われたライブではあったが、けしてこれまでの道程を否定することない音楽を追求するのだ!という姿勢がこれでも…

COMITIA95 結果報告 

戦利品にコメントをしていきます。敬称略。ネタバレもあるよ。サークル名/作品名。・惑星家/ネガッテル 同性の好きな人=異星人という距離感。想いひとつで超えられるのだよね。 ・Zulu_mix/THE TWINS GAG MANGA 02 銃撃つ制服ガールがいいってのは自明と…

より深みへの進路変更 つばな「第七女子会彷徨」(3)

ちょっとこの作品の見方を間違えていた。見る目がなかった。 第七女子会彷徨 3 (リュウコミックス)作者: つばな出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2010/12/13メディア: コミック購入: 7人 クリック: 150回この商品を含むブログ (25件) を見る 前巻まではSF…

ポップは留まるところを知らない  たむらぱん「ナクナイ」

たむらぱん3rdアルバム。シングルも相変わらず素晴らしい出来だったので、アルバム曲が埋もれやしないかとちょっと心配していたけれど杞憂に終わった。 ナクナイ(初回限定盤)(DVD付)アーティスト: たむらぱん出版社/メーカー: 日本コロムビア発売日: 2010…

そういえばカバー裏とか特に何もないね  長嶋有「祝福」

祝福作者: 長嶋有出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/12/11メディア: 単行本 クリック: 39回この商品を含むブログ (35件) を見るデビュー10周年を迎える第10作品集。帯に書いてある「長嶋有によるひとり紅白歌合戦 女主人公5人vs男主人公5人」がブ…

なんだかんだいってもね。

「嘘つき」がただ好きだ。大好きだ。

愛すべき不安 HARCO「Ethology」

夏の光についてちょろっと書いたと思ったら、一気に寒くなって秋めいてしまった。 Ethologyアーティスト: HARCO出版社/メーカー: フリップエンタテインメント発売日: 2004/05/10メディア: CD クリック: 7回この商品を含むブログ (97件) を見る 暑いあいだ、…

夏が来ている。光かどうかは知らない キリンジ「夏の光」

夏の光アーティスト: キリンジ出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント発売日: 2010/07/07メディア: CD購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (21件) を見る久しぶりのキリンジのシングルなのであるが、一発でぐっと掴まれる感じ…

一度触れたことのあるひとなら、迷わず買うべき 川本真琴「The Complete Singles Collection 1996-2001」

The Complete Singles Collection 1996~2001アーティスト: 川本真琴出版社/メーカー: ソニー・ミュージックダイレクト発売日: 2010/02/24メディア: CD購入: 7人 クリック: 163回この商品を含むブログ (49件) を見る 過去のシングル曲をB面含め丸ごと収録。…

才能は変わっていないと思う。ただ世界が変わっただけ  川本真琴feat.tiger fake fur「音楽の世界へようこそ」

音楽の世界へようこそアーティスト: 川本真琴 feat.TIGER FAKE FUR出版社/メーカー: (株)ディスクユニオン発売日: 2010/02/19メディア: CD購入: 8人 クリック: 268回この商品を含むブログ (81件) を見る ずっと待っていた新譜。9年ぶり。当然のように2ndと…

今のところ、前作のが好きだ  冨田ラボ「Shipahead」

Shipahead(DVD付)【初回生産限定】アーティスト: 冨田ラボ,キリンジ,吉田美奈子,佐野元春,一十三十一,秦基博,安藤裕子,CHEMISTRY出版社/メーカー: rhythm zone発売日: 2010/02/03メディア: CD購入: 1人 クリック: 51回この商品を含むブログ (30件) を見る 上…

僕は思う!この瞬間は続くと!いつまでも!

思えばカローラⅡは聞いたことがあった。小澤征爾の甥なんでしょ?東大卒らしいじゃん?でも今はえたいのしれないところに行ってしまったんだとさ。その程度の認識だった。 「LIFE」を聞いた。「青い車」でラブリーとジャケットが出ていたからだ。それに、そ…

ドラマチックは組み立てるのは難しいけれど、成功すれば最強だね  藤原伊織「テロリストのパラソル」「ひまわりの祝祭」

テロリストのパラソル (講談社文庫)作者: 藤原伊織出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/07/15メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 54回この商品を含むブログ (128件) を見るひまわりの祝祭 (講談社文庫)作者: 藤原伊織出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/0…

あくまでクロール、という選択肢 河野丈洋「CRAWL」

いまさら新年一発目。少しばかり冬休みが長すぎた気もするけれど。商品を挿入しようかとも思ったら、一般流通してないいわゆる「インディーズ」な作品だったので残念ながら。 まずは気にくわなかったとこから。定価1500円なのに、着払いで頼むとほとんどフル…

珈琲が刻むのはある種のワープ  豊田徹也「珈琲時間」

珈琲時間 (アフタヌーンKC)作者: 豊田徹也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/12/22メディア: コミック購入: 19人 クリック: 320回この商品を含むブログ (128件) を見る12p連載がついに単行本に。残念ながら珠玉の読み切り「ゴーグル」「スライダー」は…

面白いんだけど印象薄いな 森博嗣「εに誓って」

εに誓って SWEARING ON SOLEMN ε (講談社文庫)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/11/13メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 45回この商品を含むブログ (37件) を見る Gシリーズも一応文庫で買い集めてるんだけど、毎回どんな話だったかすぐに…

遅ればせながら、川本真琴復活ッ!

http://natalie.mu/news/show/id/24459 一般的には、るろ剣でスマッシュヒットを飛ばした一発屋。だがしかし。聞いてみりゃただの才能の塊なんだぜ。 ナタリーの反応が、オザケンを遙かに上回るレベルだったのに驚いて衝動的にやっちまった。 これが、岡村ち…

センスで完結する世界  市川春子「虫と歌 市川春子短編集」

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)作者: 市川春子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/11/20メディア: コミック購入: 59人 クリック: 1,409回この商品を含むブログ (275件) を見る 四季賞をとったときから異常な評判。何編かの短編をアフタヌーンに掲…

ゆるいだけじゃないんだぜ  岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」(5)

町でうわさの天狗の子 5 (フラワーコミックスアルファ)作者: 岩本ナオ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2009/11/10メディア: コミック購入: 5人 クリック: 186回この商品を含むブログ (102件) を見る どうして売れてるかわからんけど、とにかく売れてきてるら…