ドラマチックは組み立てるのは難しいけれど、成功すれば最強だね 藤原伊織「テロリストのパラソル」「ひまわりの祝祭」
- 作者: 藤原伊織
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/07/15
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 54回
- この商品を含むブログ (128件) を見る
- 作者: 藤原伊織
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/06/15
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (29件) を見る
ハードボイルドではあるのだけど、樋口有介とはだいぶ毛色が違う。ニヒルな感じはそれほどしない。淡々とした台詞回しはあるけれど、その一言でぐっとくる感じはなくて、あとからそういうことかと「やられた感」が残るような。
ただミステリー、って感じがするのは断然こちら。id:shuranomitiが言っていたけれど「テロリストのパラソル」にはたしかに偶然が多い。それは虚構を組み立てることに忠実だから、ということなのかもしれない。いくら現実は小説より奇なりとか言ったって、現実は必然的なことのほうが多いのだし。
「ひまわりの祝祭」もそういうところは共通している。けれど骨組みを露出させない筆力のために、そんなことは気にせず最後までどっぷり浸かることができた。惜しいなあ。とりあえずコンプリートする。