僕は思う!この瞬間は続くと!いつまでも!

思えばカローラⅡは聞いたことがあった。小澤征爾の甥なんでしょ?東大卒らしいじゃん?でも今はえたいのしれないところに行ってしまったんだとさ。その程度の認識だった。


「LIFE」を聞いた。「青い車」でラブリーとジャケットが出ていたからだ。それに、その有名さだけはどこかで聞いたことがあった。はじめは軟弱な声にしか思えなかった。名盤っていうけどこの程度か、と。


通算で5回目くらいになったころだろうか。次第に高まっていくテンション。キャッチー。ハピネス。高揚感。ここで僕は気づいたように思う。少なくとも、今に至るまで良いと言われている理由のかけら程度に。


犬は吠えるがキャラバンは進む」を聞いた。最初はベースが大きく鳴っているだけの地味なアルバムにしか思えなかったが、天使たちのシーンで深く沈み込んだ。歌詞を見た。愕然とした。この域には絶対に達せないと思える人の中にひとり追加された。


「Eclectic」を聞いた。地味なだけだと思った。今でもそれほど好きじゃない。


「球体の奏でる音楽」を聞いた。ピアノを見直した。楽しいアルバムだと思った。でも「LIFE」ほどには高揚感が無い。楽しすぎるゆえの悲しみもないように感じた。


「毎日の環境学」を聞いた。ヴォーカルがなければ、やはりだめだと思った。


そして今日、彼の声とかつての曲と、新しい曲を聞く機会が訪れたことを知った。


後追いのニワカだけれども、今、アーティストとしての小沢健二を見たいと思う。