どんな音でも関係ない  たむらぱん「mitaina」

書くことはあっても気力はなくブログといいつつ月一更新もせずにいたわけだが、大傑作を聴いたらなんらかの反応をせざるをえないわけですよ。


mitaina【初回限定盤】(DVD付)

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これまでたむらぱんは気持ち悪いメロディを神がかったポップセンスで成型することで(一部の人間の間で)天才の名を欲しいままにしてきた。
今作はそれにノイジーなバンドの音をも盛り込んだが、どんな楽器を操ってもたむらぱんはその色を隠すことができないのだと解った。


ハードコアパンクバンドSNUFF*1とのコラボレーション曲「フォーカス」は混ぜてはいけない感じの音だ……と思いきや意外や意外。明らかに日本語が不得意な男性コーラスが混ざっていようとも才能の煌めきはダイレクトに伝わってくるから不思議だ。


「ファイト」は転調とメロディのいびつな組み合わせで異常なキャッチーさを併せ持つ。全盛期の川本真琴*2にも勝るとも劣らない危うさ。


そんなやばいタイトルが並ぶ前半部と、シングル「しんぱい」*3を挟んで比較的おとなしい後半部は少しトーンダウンした印象だがアルバムのラストを飾る「歩いてる動いてる」では平穏なようで平穏ではないエンディングを見事に飾る。


異様な曲が並んでいるのにアルバムの流れとしてはひとつにも思える。まだ彼女には行くところがあるのか。才能の陰りはまだまだみえない。

*1:wikipediaさんはそう言っている。洋楽は知らないのよね

*2:ゴブルディグーグ期

*3:佳作だが彼女の中では中の下くらいの出来だ