今の流れのいくつかの源流?  ノルウェイの森

さと雑記の大里くんから借りっぱだったのをいい加減に読まねばならんなあというわけで読了。恥ずかしながらW村上の春樹のほうは読んだことがなかったのですよ。もったいなかった。というわけではじめての村上春樹


ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)


僕が生まれる前の作品ということで、どんなもんなんだろうなー、と思ってたら書かれた時代よりもはるか昔の時点の話が主体だったのでほっとした。ある意味リアルタイムで読んでいるのと同等の感覚だから。だって、もうちょい平成だって時代に、真っ赤っかなみなさんの闘争なんてほとんど風化してただろうし。


でも多分この作品において語られなければいけないのはどちらかといえば展開なんじゃないかなあと思う。「僕」が思い出していくことはさらさらと流れて、かつ瑞々しい。文学というには疑問だけど、恋愛小説と言われても首肯できない。けれど今あるそういった小説の一部には確実にこの人が源流となったものがあるように思える。濃厚な読書であった。