女の子分がちょいと足りないよう  プリーズ、ジーヴス(1)

今の少女漫画で個人的に五本の指*1に入る、勝田文の新作。単巻じゃないのはひさしぶりじゃなかろうか。


プリーズ、ジーヴス 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)

プリーズ、ジーヴス 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)


Daddy Long Legs、しゃべれどもしゃべれどもに続く原作モノなのだけれど、あいにくこちらは原作を未読なのでうまく料理できているかは不明。ただ、ふんだんにあふれる勝田文らしいゆるゆるした雰囲気と描写はオリジナルと比べても遜色ない。ちょっとバカな主人公と、それを支えたりおいしいところをさらっていったりするジーヴスのキャラクターはにやにやするくらいに魅力的だ。


ただ、女の子が少ない。登場する女の子はたくさんいるのだけど、一話だけだったりするので当然のことながら掘り下げはほとんどされない。勝田文の魅力の一つは女の子のかわいらしさだと思うので、それを味わおうと思っているのならちょっと物足りなく感じるであろう。僕は物足りなかった。男が男の内面についての描写を見て同意したり、感心したりということはあっても、引きこまれるということはあまりない(少女漫画ならなおさらだ)。やっぱり求めるのは女の子。


さんざん言ったけれど、話自体は普通に面白く展開していく単発ものなので、少女漫画的なものを求めずとも読んで得するはず。

*1:残りの四人は岩本ナオ小玉ユキ西炯子、ちょっと落ちてタアモタアモは表紙だけだけど。