ピアノ×ロックの可能性は潰えたのかも?  Shock On The Piano

アニメ版のだめのOPで売れるかなと思いきやそれほどヒットせず、気づいたら契約を切られていたSUEMITSU & THE SUEMITHのセカンドアルバムにして、ラストのオリジナルアルバム。


Shock On The Piano(初回生産限定盤)

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メジャーデビューアルバムのシングル曲に比べると、キャッチーさでは明らかに劣る。メロディの出来はちょっと残念。しかしながらアレンジの秀逸さ*1だとか、サンプリングしてクラシックの名曲を無理矢理織り込んだにもかかわらず溶け込んでいる力量だとかというものはより強く伝わってくる。


キャッチーではないとはいっても、先行シングルの「Rock a Nova」「Boyz,Boy don't cry」は聞き込めばだんだんと良さが分かってくる佳作であるし、他の曲もアルバムの一つの流れをうまくつくるのに作用している。アルバム全体としてみると、前作を上回っているといえる。


残念ながらセールス的な成功を収めることができなかったのは、マニアックにもメジャーにも行かない中途半端なところで終わったからなのかもしれない。普通のJ-POPが好きなら、新しい発見をすることができるアルバムである。

*1:ただアレンジは本人によるものではない